このごろ,天然資材を最大限に使って化成品に頼らない園芸が盛んですね。
生ゴミや枯れ葉から堆肥を作って...木酢なんかで害虫や病気への抵抗性を高めて...
ちょっと面倒ですけど,自然にやさしくて,環境破壊の低減に貢献出来て...
それで,植物も健康に育つ。 一石二鳥♪
天然物利用と化成品利用でどこがちがうのでしょう?
例えばカリウム分を補給することを考えてみましょう。
園芸店で硫酸カリウムを買ってきて撒いてあげれば手軽だし速効性。
ときどき効き過ぎちゃったり(@_@) だけど...それだけ。
カリウムの不足は補えても,残った硫酸分が土を痛めちゃう。
草木灰を撒くとどうなるでしょう。もちろんカリウム分も補給してくれるけど,一緒にマグネシウムやカルシウムも...,元の植物にあったミネラル分は大部分は灰の中に残っていて還元されるはずです。
堆肥でも同じ。硫安や尿素,あるいは過燐酸石灰みたいにたくさんの肥料分はもちろん含んでいませんけど,その代わりに他のいろいろな微量栄養素を含んでいる。腐植質を分解する有用細菌が増え...腐植質からのフミン成分が土を根に最適な団粒構造に変えてくれて...腐植質をミミズが食べに来て土をふかふかに耕してくれる(^_^)
自家製の堆肥をあげるのならちゃんと発酵済みのものをあげてくださいね。生ゴミをそのまま根の近くに埋めると根を傷めちゃうし,それに発酵のために土の中の窒素肥料分を生ゴミが奪っちゃいます。
それに...発酵熱が充分でない未熟堆肥中の有害細菌の発生や,それが生産する毒素の植物体への吸収も問題になっています。ばらを食べる人はいないでしょうけど。
木酢
最近農薬の代わりによく使われている木酢はどうでしょう?
木酢の主成分は酢の成分と同じ酢酸で,他にいろいろな
カルボン酸や他の成分を含む混合物です。
有機カルボン酸は植物に吸収されるとTCA回路という代謝過程に
組み込まれて植物の生育を助けますし,これらの成分や他の成分が
殺菌作用を示したり,害虫に忌避作用を示すことが考えられますから,
いろいろと観察されているような効果が見られても不思議ではありません。
だけど実際には木酢の中にはぎ酸,メタノール,アセトン,ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,フェノール類,アセトニトリル...等々の人体に有害ないろいろな成分も含まれています。また痕跡量の発ガン性物質(多縮合芳香族化合物)が含まれている可能性も否定できません。
だけど,単一の化学薬品とちがって,これらの有害成分は少量または微量含まれているだけですので,あまり大きな問題にはならないと考えるべきでしょう。
Attn! 木酢液は強酸性ですからほかの農薬と混ぜてはだめですよ!
要するに,市販されている化成品は一般的に単一成分であることが多く,農薬などは10年程度の安全性試験の後に認可を受けて売り出されるため,後になって予期しなかった問題が見出されることもあるのでしょう。
それと対照的に,私達が古くから利用していたものは複雑な混合物のため作用も緩慢で,しかもすでに何百年も人体実験!を行って安全と思われるものだけが使われているために安心して使用出来るのだというのは皮肉な見方でしょうか?



